せみまるだいありー。

職業はシリアルママの長男と同じです

千年女優ちょっとネタバレ感想 人に思いを与えるということ

千年女優…個人的に宮崎駿監督らのジブリに対抗する事が出来る世界観をもつ監督の1人、今敏(こん さとし)監督。その方の2002年のアニメーション映画作品です。今回見るのは2回目だったのですがようやく感想を書こうと思い立ちますたので挑んで見ました。

簡単なあらすじは藤原千代子というかつての大女優(30年前に突然女優をやめた)を取材しに来た千代子の大ファンである制作会社の社長、立花が千代子の昔語りを聞く内に現実と幻想のうつつに飲み込まれて行きます

千代子は「鍵の君」という男性を慕い、居なくなった彼を追って女優になりました。それによって千代子は自分の可能性をどんどん見つけていきます。女性が生きるための糧を見つけていく姿はやはりとても素敵だと感じます

。しかしそれが彼女が演じていた映画の映像ともに追って行くので、果たしてこれは本当に現実の事なのかそれか夢なのか…

ここから少しネタバレ。

千代子が表舞台から姿を消した時。

老いた自分の姿は鍵の君にはわからないから…と言いましたがわたしは千代子が自分の鍵の君への思いを利用して自分の能力(千代子にとっての演じる事)を高めていってしまったことへの鍵の君への謝罪だったのでは?と思うのです。好きという気持ちを自分のステップアップのために使ってしまった…千代子はその事に気づいてしまったのではないでしょうか。そんな自分は老いて醜くなった存在そのものだと…

そして議論になるラストシーンの千代子のセリフ。わたしはあれは千年の恋の呪いにかかり続けることを千代子が認めたシーンなのではないかと感じました。自分のもつ力を引き出す…自分が生きていくために自分を好きになるために…わたしの鍵の君への思いは存在している…!その気持ちがあの発言に表れていたような気はするのです。

こんな拙い感想文を見ていただいてありがとうございました。わたしは自分の欲求ややりたいことをするためには多少醜くなることも覚悟しなければならないと思うのです。綺麗でありつづける事など、見苦しく無く生きることも人間は不可能に近いから。だったら使って行けるもの(千代子にとってそれは鍵の君への想い)を使って生きて行けばいいと感じました。


だってわたし

あのひとをおいかけているわたしが好きなんだもの